選び方

税理士との相性を見極める、初回相談で確認したいポイント

税理士との関係は、単発の依頼で終わらず、継続的な付き合いになりやすいものです。料金だけでなく、相性を見極めることも依頼先選びの大切な要素になります。

この記事では、初回相談・面談の場で確認しておきたいポイントを整理します。

※税理士報酬には法令上の統一料金や公定価格はありません。以下は初回相談時に確認したい一般的なポイントであり、実際の評価は事務所ごとの対応や条件により異なります。最終更新:2026年7月。

税理士との相性が重要な理由

税理士とは決算・申告だけでなく、日々の経理相談や資金繰りなど継続的に関わります。専門知識に加え、相談のしやすさや説明の分かりやすさも重要な要素になりやすいといえます。

ただし相性は「話しやすさ」だけで測れません。次の4点の適合性も確認しましょう。「人柄が良いから」という印象だけで決めることはおすすめしません。

  • ①専門分野:業務・業種の対応経験
  • ②業務範囲:依頼業務をどこまでカバーするか
  • ③連絡方法・面談頻度:希望する連絡・頻度への対応
  • ④税務リスクへの判断姿勢:リスクを丁寧に説明する姿勢

初回相談で確認したいポイント

  • 同業種・同規模の対応実績:近い業種・規模の担当経験があるか
  • 説明の分かりやすさ:専門用語を分かりやすく説明するか
  • 節税提案とリスク説明のバランス:提案とリスク説明の両方があるか
  • 料金体系の説明の明確さ:基本料金と追加料金の条件が明確か

返信は初回の速さだけでなく、契約後の目安まで確認しましょう。

  • 通常の返信目安、営業日・営業時間、緊急連絡方法
  • 電話相談の予約制、相談回数の上限、不在時の対応、中間連絡の有無、税務署対応手順

税理士登録と担当体制を確認する

紹介サイト掲載の有無にかかわらず、次の点を確認しましょう。スタッフの実務担当自体は問題ではありません。

  • 税理士登録の有無(日税連「税理士情報検索サイト」で確認可能)
  • 面談担当者の氏名と役割(税理士かスタッフか)
  • 契約後の税務判断を行う登録税理士、申告書の作成・確認者
  • 担当者の不在・退職時の引継体制
  • 税理士本人と面談できる頻度、担当変更の可否

業務範囲を確認する

資金繰りや経営相談、融資支援等は顧問契約に当然含まれるとは限りません。次の業務が契約内容か、別料金か、対応外かを確認しましょう。

  • 記帳代行/月次試算表
  • 決算・法人税申告/消費税申告
  • 年末調整・法定調書/償却資産申告
  • 給与計算
  • 資金繰り表/融資・事業計画支援
  • 税務調査対応/税務署照会対応

社会保険手続や登記、法律相談など他資格が必要な業務は税理士業務と一括りにできません。対応可否は個別に確認しましょう。

資料の受渡方法と情報管理

マイナンバーや従業員情報、通帳の全ページなど、不要な資料を初回相談で安易に提出しないよう注意しましょう。次の点も確認します。

  • 資料の共有方法(郵送・メール・クラウド共有等)
  • 多要素認証・アクセス権限の設定有無
  • 資料の保存期間、契約終了時の返却・削除方法
  • マイナンバーの受渡方法
  • 外部委託・海外クラウドの利用有無、漏えい時の連絡体制

契約を急ぐ前に注意したいサインの例

次のような対応が見られる場合、他の事務所とも比較することが望ましい場合があります。違法・悪質と断定せず、説明を求め契約を急がない方がよい例として捉えてください。

  • 面談担当の税理士の氏名を明かさない、見積書・契約書を提示しない、申告書の確認者を説明しない
  • 業務範囲や追加料金の条件が曖昧、解約条件や資料返却を説明しない
  • 売上除外や架空経費など不適切な処理を勧める、不要な個人情報を安全でない方法で求める
  • 「必ず安くなる」「税務調査は絶対に来ない」と断定的に保証する、リスク説明なく節税効果だけ強調する

税理士には守秘義務があり、顧客名や申告内容を開示できない場合があります。過去の事例を示さないこと自体は悪いサインではなく、顧客を特定しない範囲で近い業種・規模の対応経験を確認し、守秘義務に配慮する税理士を否定的に評価しないようにしましょう。

複数の事務所と面談して比較することの意味

1つの事務所だけでは、料金や対応の適正さを比較する基準を持ちにくくなります。複数面談で、料金水準に加え説明の仕方や対応スピードも比較しやすくなります。

見積り金額そのものの比較ポイントは「税理士の見積り比較で見るべき3つのポイント」、オンライン対応と対面重視の違いは「オンライン対応の税理士と対面重視の税理士、どちらを選ぶか」、税理士の変更を検討している場合は「税理士を変更(乗り換え)するタイミングと進め方」もあわせてご参照ください。

初回相談の前に準備するもの

次を整理しておくと面談がスムーズです。資料自体は、税理士側から必要な範囲と安全な送付方法の案内を受けてから提出しましょう。

  • 相談内容のメモ、事業内容、年商・取引規模
  • 決算月・申告期限、使用する会計ソフト、記帳状況
  • 従業員数、直近の申告書・試算表、税務署からの書類
  • 希望業務範囲、希望する連絡方法・面談頻度

初回相談の費用について

初回相談は無料とは限りません。面談前に、次の点を確認しておきましょう。

  • 有料か無料か、相談時間の目安、延長した場合の料金
  • 見積り作成費用の有無、キャンセル条件
  • 相談後に依頼を断ってもよいか

申告期限が迫る場合は、比較より受任可能な時期と期限対応可否を優先しましょう。

初回相談で聞く質問10選

  • 自社と近い業種・規模の対応経験はあるか
  • 依頼したい業務にどこまで対応できるか
  • 日常の担当者と、最終的に確認する税理士は誰か
  • 月額料金と、決算料等を含めた年間総額はいくらか
  • 追加料金が発生する条件は何か
  • 通常の返信目安はどのくらいか
  • 面談方法と頻度はどうなっているか
  • 税務調査や税務署照会にどう対応してもらえるか
  • 資料の共有方法と保管体制はどうなっているか
  • 契約期間、解約条件、資料の返却方法はどうなっているか

よくある質問

初回相談には何を持っていけばよいですか

事業内容・相談内容のメモ、直近の申告書・試算表があるとスムーズです。マイナンバー等は案内後で十分です。

初回相談は必ず無料ですか

無料・有料どちらの事務所もあるため、事前に確認しましょう。

面談の担当者は税理士本人でなくてもよいですか

最終判断を行う登録税理士を確認できていれば、担当者が本人でなくても問題ない場合が多いです。

過去の顧客名や具体的な事例を聞いてもよいですか

質問自体は問題ありませんが、守秘義務により顧客を特定しない範囲の説明になります。

何社くらい比較すればよいですか

決まった目安はなく、条件をそろえ無理のない範囲で比較することが大切です。

申告期限の直前でも相談できますか

対応可否は事務所により異なります。期限が迫るほど早めに相談しましょう。

面談前に参考レンジを確認しておく

面談で提示された料金が適正かを判断するには、事前に参考レンジを把握しておくことも役立ちます。初回相談では希望する業務範囲を伝えて見積りを受け取り、同じ条件で年間総額を比較することが重要です。

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※本記事は一般的な参考情報を提供するものであり、個別の税務相談や特定の税理士事務所の評価を行うものではありません。実際の依頼先選定にあたっては、複数の事務所との面談を通じてご判断ください。

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