法人決算申告を税理士に依頼する費用の目安|内訳と追加料金を解説
法人の決算申告を税理士に依頼する場合、費用は会社の規模や取引量、記帳の状況、消費税申告の有無などによって変わります。同じ年商の会社でも、依頼する業務範囲や事務所によって金額に差が出ることは珍しくありません。
この記事では、法人決算申告を税理士に依頼する場合の費用の目安、顧問契約とスポット依頼の違い、料金に含まれる業務と別料金になりやすい業務、見積りを依頼するときの確認事項を整理します。
※税理士報酬は、2002年4月1日施行の改正税理士法により従来の報酬規定が廃止され、現在は事務所ごとの自由料金となっています。以下は一定の条件を前提とした参考レンジであり、業種・取引量・記帳状況・申告内容などにより異なります。正式な金額は個別の見積りが必要です。最終更新:2026年7月。
法人決算申告料の目安
法人決算申告の料金は、顧問契約の有無や会社の規模によって傾向が異なります。ここでは、顧問契約がある場合の決算申告料の目安を年商別に確認します。この参考レンジは、タノモルが公開している「法人の税理士顧問料相場はいくら?年商別の早見表」の決算申告料欄と同じ数値であり、複数の税理士事務所を横断した外部の市場調査結果ではなく、タノモルが整理した参考レンジである点にご留意ください。月額顧問料と合わせた年間費用の考え方も同記事で解説しています。
※以下の料金表は、顧問契約がある場合の、法人税・地方法人税・地方税(法人住民税・法人事業税等)の申告および決算書作成にかかる決算申告料の目安です。2026年4月1日以後に開始する事業年度では、対象法人について防衛特別法人税の申告も関係するため、基本料金に含まれるか確認してください。消費税申告、記帳代行、年末調整・法定調書の作成、償却資産申告、税務調査対応などは含まれておらず、別料金になる場合があります。また、顧問契約を結ばずに決算申告のみをスポットで依頼する場合の料金ではありません。
年商(売上高) | 決算申告料の目安(税抜、顧問契約がある場合) |
|---|---|
1,000万円以下 | 8万~20万円 |
1,000万~3,000万円 | 11万~27万円 |
3,000万~5,000万円 | 14万~35万円 |
5,000万~1億円 | 19万~47万円 |
1億~3億円 | 29万~70万円 |
3億円超 | 48万~117万円 |
上記は、記帳代行・消費税申告・年末調整・法定調書の作成・償却資産申告・税務調査対応などのオプションを含まない、顧問契約がある場合の基本的な決算申告(法人税・地方法人税・地方税の申告、対象となる場合の防衛特別法人税申告および決算書作成)を想定した参考レンジであり、個別の見積りが必要です。仕訳数や取引の複雑さによってレンジ内で変動し、年商規模が特に大きい場合や複数拠点・グループ会社がある場合は個別見積りとなることがあります。
顧問契約を結ばずに決算申告のみをスポットで依頼する場合は、期中の確認が行われていないため、決算時の資料確認や残高整理などの費用が加算される場合があります。月額顧問料を含めた年間総額と、スポット依頼の総額を同じ業務範囲で比較しましょう。事務所によって料金体系が大きく異なるため、本記事では具体的な金額を示していません。顧問契約の有無による違いは、後述の「顧問契約ありと決算のみの違い」で詳しく説明します。
法人決算申告の基本料金に含まれることがある業務
税理士事務所の見積書では、次の業務が基本料金の対象として示されることがあります。ただし、実際の範囲は契約ごとに異なります。
- 記帳済みデータを前提とした決算整理仕訳の確認・入力
- 法人税・地方法人税申告書の作成
- 地方税(法人住民税・法人事業税等)申告書の作成
- 防衛特別法人税申告書の作成(2026年4月1日以後に開始する事業年度で対象となる場合)
- 決算書の作成
- 申告書の電子申告
- 納付税額の案内
ただし、どこまでの業務が基本料金に含まれるかは事務所ごとに異なります。見積りを受け取ったら、上記のうちどの業務が含まれているかに加えて、次の点も確認しましょう。
- 電子申告を含むか
- 税務代理権限証書の提出を含むか
- 申告書の説明を含むか
- 納付書・納付情報の案内を含むか
- 決算書の納品形式
- 電子申告の受信通知を納品するか
別料金になりやすい業務
次のような業務は、法人決算申告の基本料金とは別に追加料金が発生する場合があります。
- 記帳代行
- 消費税申告
- 年末調整
- 法定調書の作成
- 償却資産申告
- 税務調査対応
- 過年度の修正申告
- 資料整理
- 申告期限直前の依頼
特に記帳代行は、依頼先や仕訳数によって料金が変わります。記帳代行の料金相場は「記帳代行の料金相場|法人・個人事業主別の目安と依頼先の違い」で解説しています。
顧問契約ありと決算のみの違い
法人決算申告は、顧問契約を結んだうえで依頼する方法と、決算申告のみをスポットで依頼する方法があります。どちらが安いかは一概には言えず、次の点を踏まえて比較する必要があります。
- 日常的な税務相談ができるかどうか
- 期中の記帳状況を継続的に確認してもらえるかどうか
- 申告前の資料確認や整理にかかる負担
- 年間を通じた費用の合計
期中の記帳確認を含む顧問契約であれば、決算前の資料整理や確認作業の負担が軽くなることがあります。一方、決算のみのスポット依頼は、日常的な相談を必要としない会社にとって選択肢になりますが、記帳が未整理の場合は決算前の確認作業が増え、結果的に料金が上がることもあります。
法人決算申告の料金が変わる要因
同じ年商の法人でも、次のような要因によって決算申告の料金は変わります。
- 年商
- 仕訳数・取引量
- 部門数・店舗数
- 記帳の完成度
- 消費税申告の有無
- 輸出入・海外取引の有無
- 複数事業の有無
- 在庫の有無
- 固定資産の件数
- 役員・従業員数
- 申告期限までの期間
- 過年度の処理漏れや残高不一致の有無
- 税務調査や税務署からの照会対応の有無
税理士へ見積りを依頼するときの確認事項
法人決算申告の見積りを比較するときは、少なくとも次の点を確認しましょう。
- 基本料金に含まれる業務の範囲
- 記帳代行を依頼する場合の費用
- 消費税申告を依頼する場合の費用
- 年末調整・法定調書作成等の費用
- 追加料金が発生する条件
- 修正申告や税務調査対応が必要になった場合の料金
- 契約期間と解約条件
見積りを比較するときの考え方は「税理士の見積り比較で見るべき3つのポイント」でも解説しています。あわせてご確認ください。
料金だけで税理士を選ばない方がよい理由
法人決算申告を依頼する税理士を選ぶときは、料金だけでなく次の点も確認しておくと、契約後のミスマッチを避けやすくなります。
- 自社の業種や取引内容への理解があるか
- 質問や相談への回答が具体的か
- クラウド会計ソフトへの対応状況
- 担当者と税理士本人の関わり方
- 対応範囲が自社のニーズに合っているか
他の見積りと比べて著しく低い見積りでは、対応範囲が限定されていたり、記帳が完了していることが前提になっていたりすることがあります。金額だけでなく、業務範囲や対応体制まで含めて比較することが重要です。
よくある質問
赤字の法人でも決算申告の料金は同じですか
赤字であっても決算整理や申告書の作成は必要なため、赤字だけを理由に料金が下がるとは限りません。料金は取引量、記帳状況、申告内容などによって異なります。
休業中の法人でも決算申告は必要ですか
株式会社・合同会社などの一般的な内国法人は、欠損で納付税額がない場合や休業中であっても、原則として法人税の確定申告書を提出する必要があります。地方税の申告や法人住民税の均等割の取扱いについては、所在地を管轄する自治体にも確認しましょう。
決算直前でも依頼できますか
対応可否は事務所やその時期の繁忙状況によります。申告期限が近い場合は特急料金が発生することがあるため、早めに相談することをおすすめします。
記帳が終わっていなくても依頼できますか
対応している事務所もありますが、記帳整理や記帳代行は別料金になる場合があります。記帳の完成度によって決算申告までの期間や料金が変わる点に注意しましょう。
消費税申告は決算申告料に含まれますか
消費税申告は、法人税申告とは別料金としている事務所があります。消費税の課税事業者かどうかとあわせて、見積り時に確認しましょう。
決算申告だけを単発で依頼できますか
単発で決算申告のみを依頼できる事務所もあります。ただし、期中の確認が行われていない場合は、決算時の資料確認や残高整理などに追加費用が発生することがあります。申告対象となる税目、記帳整理、申告後の対応など、依頼範囲を事前に確認しましょう。
まとめ
法人決算申告を税理士に依頼する費用は、年商や取引量、記帳の状況、消費税申告の有無などによって変わり、事務所ごとに料金体系も異なります。金額の目安を把握したうえで、基本料金に含まれる業務範囲、別料金になりやすい業務、追加料金が発生する条件を見積り時にあわせて確認することが重要です。
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※本記事は一般的な参考情報を提供するものであり、個別の税務相談、税額計算、特定の税理士事務所の料金評価を行うものではありません。実際の依頼にあたっては、各事務所の見積りについて、税込・税抜の別、業務範囲、追加料金の条件をご確認ください。
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