相続税

遺産5,000万円の相続税申告、税理士費用はいくら?

「遺産は5,000万円くらいあるが、税理士に相続税申告を依頼すると、いくらかかるのだろう」と気になる方も多いでしょう。

相続税申告の税理士報酬は、遺産総額だけで決まるわけではありません。土地の数や評価の難しさ、相続人の人数、非上場株式の有無、申告期限までの期間などによって、同じ5,000万円の遺産でも費用は変わります。

この記事では、遺産総額5,000万円前後のケースを想定し、税理士費用の大まかな参考レンジと、見積りを確認するときのポイントを解説します。なお、本記事でいう「遺産総額5,000万円」は、多くの料金表で報酬計算の基準とされている、財産を時価に近い形で単純に合計した金額を想定しています。相続税の課税価格(債務控除や非課税財産の考慮後の金額)とは範囲が異なる場合があるため、税理士報酬の見積りと相続税額の計算とで、基準となる金額が同じとは限らない点に注意してください。

※税理士報酬には法令上の統一料金や公定価格はありません。以下は、2026年7月時点で確認できる公開料金表や一般的な紹介例をもとにした参考情報です。実際の料金は、財産構成、評価作業、申告期限、事務所の料金体系などにより異なります。最終更新:2026年7月。金額の考え方については相場データについてもご参照ください。

遺産5,000万円前後の税理士報酬の大まかな目安

遺産総額

税理士報酬の参考レンジ(税抜)

5,000万円前後

30万~50万円程度

複数の公開情報では、相続税申告の税理士報酬について、遺産総額の0.5%~1%程度を大まかな目安として示す例があります。遺産総額5,000万円に単純計算で当てはめると25万~50万円程度ですが、多くの事務所では最低報酬額を30万円程度に設定しているため、実際の目安は30万~50万円程度となります。

ただし、これは税理士報酬全体の概算をつかむための目安です。土地や非上場株式が多い場合、申告期限が迫っている場合、資料整理に時間がかかる場合などには、加算によってこの参考レンジを超えることがあります。なお、税理士報酬は、相続税の計算上の債務控除の対象には通常なりません。

実際の料金表では、5,000万円前後の基本報酬を20万~30万円台に設定し、土地、相続人、非上場株式などを別料金にしている例もあります。一方で、基本報酬に一定の作業を含める料金体系もあります。そのため、「基本報酬が安いかどうか」ではなく、自分の条件に必要な業務を含めた最終的な総額で比較することが重要です。

同じ5,000万円でも費用が変わる主な要因

預金や上場株式が中心の場合

財産の多くが預金や上場株式など、評価方法が比較的定型化されているものであれば、土地や非上場株式を含むケースに比べて、評価作業は少なくなる傾向があります。

ただし、預金口座や証券口座の数が多い場合、過去の資金移動の確認が必要な場合、名義預金(名義は家族でも実質的に被相続人の財産と考えられる預金)の検討が必要な場合、取引金融機関が多い場合などには、預金中心であっても追加作業が発生することがあります。

自宅などの土地を含む場合

遺産5,000万円前後では、自宅の土地と建物、預金などを合わせて5,000万円程度になるケースがあります。宅地は、路線価等を基礎として、形状、接道状況、利用状況などを確認しながら評価します(田・畑・山林など他の地目は評価方法が異なります)。

公開料金表では、事務所の料金計算上の1利用区分につき、5万~6万円程度の加算を設けている例があります。ただし、税務上の評価単位(画地)、料金表上の「利用区分」、後述する相場診断の「土地の数」は、それぞれ数え方が異なる場合があるため、正式な加算額は見積りで確認しましょう。

また、自宅の敷地については、要件を満たす場合に、小規模宅地等の特例(限度面積330㎡、評価額80%減額)の適用を受けられることがあります。ただし、この特例は自動的に適用されるものではなく、要件を満たすかどうかの判断と申告手続が必要です。

相続人が複数いる場合

相続人が増えると、必要書類の案内、本人確認、遺産分割内容の確認、申告書への記載などの作業が増えます。

そのため、相続人が2人以上の場合、2人目以降の相続人1人につき、基本報酬の一定割合を加算する事務所があります。公開料金表では、1人増えるごとに基本報酬の10%程度を加算する例などが見られます。

非上場株式がある場合

被相続人が会社を経営していた場合などには、非上場株式の評価が必要になることがあります。

非上場株式は、会社の決算書、資産・負債、株主構成、会社規模などを確認して評価するため、通常の財産評価より作業量が増えやすく、別途加算または個別見積りになることがあります。特に、複数期分の決算書の確認が必要な場合、含み損益のある資産を保有している場合、株主構成が複雑な場合などには、作業量がさらに増える傾向があります。

申告期限が迫っている場合

相続税の申告・納付期限は、通常、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です。

期限まで3か月を切っている場合などには、短期間で申告作業を進める必要があるため、特急対応の加算が発生することがあります。また、期限までの期間や事務所の繁忙状況によっては、依頼を受けてもらえない場合もあります。

遺産5,000万円なら相続税申告は必要?

相続税には、次の基礎控除があります。

3,000万円+600万円×法定相続人の数

たとえば法定相続人が3人であれば、基礎控除は4,800万円です。この「法定相続人の数」は、相続放棄をした人がいても、その放棄がなかったものとして数えます。また、養子がいる場合、法定相続人の数に算入できる養子の数には、実子の有無に応じた上限があります。

ただし、遺産の概算額が5,000万円だからといって、必ず相続税が発生するわけではありません。申告要否や税額は、債務や葬式費用、生命保険金・死亡退職金の非課税額(法定相続人の数に応じた非課税限度額があり、一律に一定額を控除できるものではありません)、一定の贈与財産の加算、土地の評価、各種特例などを反映して判断します。

なお、被相続人から生前に受けた贈与の相続税への加算については、加算対象期間の見直しが行われており、経過措置もあるため、対象期間を一律に「7年」と言い切れない場合があります。詳細な取扱いは、国税庁の案内や税理士への相談で確認することをおすすめします。

一方、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減などを適用した結果、納付税額がゼロになる場合でも、特例の適用を受けるために相続税申告が必要になることがあります。

基礎控除に近い場合や、土地の評価によって申告要否が変わりそうな場合には、早めに税理士へ相談して確認することが大切です。

依頼前に確認したいこと

  • 見積りは基本報酬だけか、想定される加算を含む総額か
  • 報酬計算の基礎となる「遺産総額」の定義(相続税の課税価格とは範囲が異なる場合がある点を含む)
  • 土地の評価や小規模宅地等の特例の検討が含まれるか
  • 相続人加算、土地加算、非上場株式加算の有無
  • 資料収集や財産調査に追加料金が発生するか
  • 申告期限までの残り期間による加算があるか
  • 表示金額が税込か税抜か

よくある質問

「遺産総額5,000万円」は相続税の課税価格と同じ意味ですか

必ずしも同じではありません。税理士報酬の目安で使う「遺産総額」は財産を単純に合計した金額を想定することが多く、相続税の課税価格は債務控除や非課税財産の考慮後の金額です。範囲が異なる場合があるため、見積り時に確認しましょう。

税理士報酬は相続税の計算上、遺産から差し引けますか

通常、税理士報酬は相続税の計算上の債務控除の対象にはなりません。

相続放棄をした人がいると基礎控除の計算は変わりますか

変わりません。放棄した人がいても、その放棄がなかったものとして法定相続人の数を数えます。

生前贈与の加算対象期間は一律7年ですか

制度の見直しにより経過措置が設けられており、一律に7年とは言い切れない場合があります。詳細は国税庁の案内や税理士にご確認ください。

小規模宅地等の特例は自動的に適用されますか

されません。要件を満たす場合に、申告によって適用を受ける制度です。限度面積や減額割合も一律ではないため、個別に確認が必要です。

自分の条件に近い費用を確認する

遺産総額が同じ5,000万円でも、財産の内容や相続人の人数によって税理士報酬は変わります。まず自分の条件に近い費用の目安を把握し、そのうえで複数の見積りについて、料金だけでなく業務範囲や追加料金の条件も比較しましょう。加算要因の全体像は「相続税申告の報酬が加算される5つのケース」、土地が多い場合は「土地が多い相続は申告費用が上がる?評価の手間と報酬の関係」もご参照ください。

タノモルの無料相場診断では、遺産総額、土地の数、相続人の人数、非上場株式の有無、申告期限まで3か月未満かどうかを入力することで、条件に応じた概算の報酬レンジを確認できます。

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※本記事は一般的な参考情報を提供するものであり、個別の相続税相談、財産評価、税額計算を行うものではありません。申告要否、基礎控除、財産評価、特例の適用可否などの個別判断は、税理士にご相談ください。

まずは、あなたの場合の費用の目安を知ってみませんか。

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